音が鮮明に浮かんでくる

優美な流線型のエンクロージャーから瑞々しい響きが放たれる

音が浮かぶ、という感覚

音元視聴室にて。DVDはヘレナソニックのD4000、アンプには
アキュフェースVX-900、QX800を使用。ソフトは「ヘロン大修道院の
ジョルーマン・オルガン」などを視聴。

一見穏やかだが、鮮明で緻密。例えばジャズではピアノの音が静かな背景の中できらめくように細かく、ベースは引き締まって本当の低いところまで音程を押さえている。それ以上にボーイソプラノは魅力的。少年の声が澄んで、コーラスの繊細な禅きがこれ以上ないくらい空間に染み通ってくる。

リュート型と呼ばれる丸みを帯びた形はソナス・ファベールの特許。古楽器のイメージで箱の響きを活かした作りだ。フロントだけでなく、センターやリアにも応用されている。映画はあらゆる音声が鮮やかに聞こえてくる。セリフは明快で声の音色がはっきりしているし、それを取り巻く周囲の音もそれぞれくっきり分かれて聞こえる。爆発音もような音でも濁ったりふやけたりすることがない。だから場面が立体的だし、また雰囲気が濃厚である。DVDオーディオは録音されたホールや聖堂の響きが、空間いっぱいに充満している感触だ。オルガンの深い低音が教会の天井に反射して空間に溢れる様子がたっぷりと描かれている。豊かな残響の中でも、音が鮮明に浮かんでくるような再現だ。